同調と調和

論語の中に『和して同ぜず』という言葉が出てきます。


『和』はするけど『同』はしないよ


ということですが和と同の違いはなんでしょうか?

同調と調和で比べてみると分かりやすいかもしれません。


同調とは相手に合わせること。

調和とは全体でバランスが取れていること。


同調は相手に合わせて、相手と同じになろうとする。

これは水に水を足していくイメージでしょうか。

いくら足しても量は増えますが水は水。


調和は全体で1つのモノとして成り立っている。

これはお鍋のイメージでしょうか。

1つ1つの具材が味を出す事で深みを増し、1つの料理として完成する。

具材の中にはメインもあれば調味料もある。



そんなイメージです。

同調は強いリーダーシップを持っている人がいて、その人が全体を染めていきます。

調和は1人1人が個性をぶつけ合ってそれをリーダーが調整して全体を1つにまとめます。

同調のリーダーは料理で言えばメインディッシュであるべきでしょう。


調和のリーダーは調味料やコック(もはや料理の一部ではない)のポジションです。

そう考えると強いリーダーシップを求めるのは同調型の組織だからではないでしょうか?

逆に調和型のリーダーは強い必要はありません。

全体のバランスを考え、個々の力が発揮しやすいように調整する役割です。



そう考えると調和型リーダーの方が良い気がしますが調和型には弱点があります。


調和型は目立たないのです。


同調型はリーダーが最前線に出るので目立ちます。

目に見える形で成果を出します。

あの人がいるからこんな結果が出せた、と言う風に。


でも調和型は自分が主役になることはあまりありません。

全体で結果を出す方法だからです。

結果『あのリーダー、組織に必要ないよね』なんて評価を下しかねません。

もし失敗でもしようものならヒドイものです。

料理で言うなら『味がけんかしている状態』

ですから。


うまくいっても自分の評価にならないのに失敗すれば自分の評価。

おいしくないポジションです。



一長一短でどちらが良いとは言い難いですが、海外に比べ日本では同調を重視する傾向が強いのではないでしょうか?


個人個人が同調型なので自然と同調型のリーダーを求めるのでしょう。


自分が組織に馴染めない、と感じたらその組織のスタイルと合っていないからという可能性もあります。

思い切って組織を変えてみるのも良いかもしれません。



しかし『和』を重んじる、と言いつつ実は重んじているのは『同』、というのは『どう』なのでしょう?(笑)

ライフスタイル ラボ

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